2008/06/27
WEBERのセッティング(その6 トラブルの例)
OV:アウターベンチュリー AV:インナーベンチュリー MJ:メインジェット IJ:アイドルジェット
ET:エマルジョンチューブ AJ:エアージェット PJ=ポンプジェット NV=ニードルバルブ
IAS:アイドルアジャストスクリュー
●トラブル例
(1)バックファイア
混合気が薄いと火炎伝播速度が遅くなり燃焼が爆発行程の間に終わらず、次工程で吸気バルブが開いた時にインマニ内の混合気に着火する現象で、キャブレターまで吹き返し、薄暗い所で観察するとキャブ内で炎が見えます。
原因としては、混合気の薄過ぎや点火系のトラブルなどが考えられます。
「シュパッ」「チン!」というキャブレターに吹き返す症状で、コールドスタート直後にアクセルを踏んだ状態で、混合気が薄いと出やすいですね。
しかしエンジンが温まっても混合気が薄いと同様の症状が出ることがあり、負荷の少ない巡航時に発生することが多いです。
症状を収めるだけならIJのサイズアップするか、寒い季節になったらIJSを開くだけで対策できますが、メイン系統が極端に薄い場合は全体を見直す必要があります。
(例1:IJを交換したらバックファイアが出るようになった)
IJは、加速時だけでなく巡航時の燃調にも影響するという例でした。IASを開いて応急処置。
(2)アフターファイア
走行中にスロットルを閉じると、マフラーから「パンッ」という音(火も)が出る現象です。ほとんどの場合は混合気が薄い状態に起こりますが、濃すぎる場合にも発生することがあります。
(例1:スロットルを踏み込んだ状態から戻す瞬間に出る)
メイン系統が薄い状態です。アクセルを完全に戻す直前に発生するなら、スロー系統が薄いことも考えられます。
症状にあわせてMJ,AJ,IJのサイズ変更を行い濃くする必要があります。
(例2:アクセルを完全に戻した時に発生する)
スロー系統が薄いので、IJをサイズアップする必要があります。
(例3:巡航している時に発生する)
極端に濃い可能性があるので、メイン系統からやり直した方が良いと思います。応急処置としては、MJ又はIJをサイズダウンする。
(例4:プロショップが行った燃調なのに、激しくアフターファイアが出る)
なかなか原因がつかめなかったそうですが、結局はインマニとキャブとの接合部に挟むガスケットの一部が欠けており、その気筒だけ二次エアを吸っていたことが判明しました。ガスケットを交換してアフターファイアは止まりました。
(3)加速中の息つき
①混合気が薄い
発進直後の息つきをプラグがかぶっていると言う人が多いですが、実は反対に薄すぎて異常燃焼を起こしたり失火していることが多いのです。急いで加速しようとして急激に深く踏み込むと起こりやすい症状ですね。
特に大径キャブ(又は大径OV)ほどこの傾向が出やすくなるので、スロー系統・加速系統を濃い方向に調整する必要があります。あるいはETをF11のように高回転よりも相対的に中低速回転が濃くなりやすいものを選択するのも方法です。
②混合気が濃い
反対に息つきはしないけど、アクセルの微妙な操作に即反応せず踏み込んでも加速感と排気音が鈍い場合は、混合気が濃い可能性があります。酷い場合には、 アクセルのオン・オフを繰り返すとギクシャクしてしまいます。そのままではスパークプラグがかぶって失火に繋がります。エンジンが不揃いな周期で回るよう なら、スパークプラグと燃調を疑いましょう。
WEBERを使っている車は古いメカなりにもスポーツ性を重視しており、エンジンのカムはオーバーラップが大きくて低回転では吹き抜けが多く、その上にPJは容赦なく濃いガスを供給します。
全開走行に合わせてセッティングすれば、スロー走行で多少かぶるはずです。
(4)燃料のオーバーフロー
ある日を境に燃料がオーバーフローして漏れる症状が出たので、キャブレターカバーを外して見たところ、1個のフロートのアームが折れて外れていました。ニードルバルブを閉じる浮力がなくなっていたという、珍しい例でした。
WEBERのセッティング(その5 燃調ギャラリー)
WEBERのセッティング(その4 セッティングの手順)
OV:アウターベンチュリー AV:インナーベンチュリー MJ:メインジェット IJ:アイドルジェット
ET:エマルジョンチューブ AJ:エアージェット PJ=ポンプジェット NV=ニードルバルブ
IAS:アイドルアジャストスクリュー
●キャブセッティングの手順 (ジェットセッティングの基本はメイン系統から)
(1)キャブレターが正常に動作することを確認する。
内部パーツの消耗、動作を確認して完全な状態にしてください。もちろんインマニへの装着状態も含めてです。
二次エアーが入るとか、そういう段階の説明は省略します。
(2)油面の調整
油面高さは、キャブレターカバーを上下逆さにして、ガスケットとフロートの間隔が11~12mm程度(ツノ付き対策後タイプの場合)にすればOKです。
2個のフロートがキャブレターカバーと平行になっていることも大切です。
この間隔についてノウハウを持っているショップもあるそうですが、とりあえず2個のキャブが揃っていればOKだと割り切って進めましょう。
(3)キャブレターの同調を取る。
ツインキャブの場合、2個のキャブレターが全く同じように開閉できる状態にします。基本的にはシンクロテスターを使って吸気量を測定しますが、シンクロテスターの空気抵抗で回転数が変わらないように手早く測定する必要があります。
測定する回転数については、アイドリングより僅かに高めの回転数でやれば十分だと思います。
左右の同調が取れない場合の処置について。
①その1-スロットルシャフト(スロットルバタフライを固定しているシャフト)の捩れを取る。
スロットルレバーを少し手で開いて反対側のスロットルシャフトワッシャーの「狭い外周部」をプライヤで挟み、吸気量の少ない方を手前に(開く方向に)捻る要領で力を入れます。
大抵の場合はこれで完璧に同調させることができますが、またすぐに捩れてくるので困ったものです。
排ガス対策後のWEBERには白いキャップ(一般にツノを呼ばれる)のついたエアバイパススクリューが付いています。アイドリング時にバイパスされて 入ってくる空気量を調整することができるので、吸気量の少ない方のツノを開けば同調させることができます。ただしアイドリングから微妙にスロットルを開い た付近までの同調が一定にならないので、あるていど妥協しなければなりません。
私は上記①で頻繁に同調が狂うのを嫌い、このやり方を採用しています。
(4)ジェットの暫定セットを決めて組み込む。
セッティングチャートから、自分のエンジンやキャブレターの仕様に合いそうなセットを選びます。とりあえずIJについては、迷ったら薄めの方がセッティング中にスパークプラグがかぶりにくいのでお勧めします。(とりあえず走れば良い)
(5)メイン系統を調整する。
セッティングチャートで選んだMJとAJの組み合わせで、どのようにスパークプラグが焼けるかを確認します。
高速道路で3速全開加速を繰り返し、回転を落とさないようにPAに滑り込んでエンジンカット。結構大変ですが、私もかつてはこれを繰り返したものです。車の性能を最大限に出すには4速でセットアップを行うべきですが、公道では無理ですね。
3速は4速より濃い目の結果となるので、スパークプラグが狐色よりも黒い程度が良いかもしれません。ただ実際には公道で焼け具合を見て判断するのは難しくて、きっと迷いが出てくると思います。迷った時は体感的な加速感で比較するとか、中間加速タイムを計測して比較するとか、マージンを考えて濃い方を選ぶとかなど、自分なりの基準を決めておくと良いでしょう。私の場合は加速タイムを計測していました。後にデータロガーで空燃比計を分析するようになっても加速タイムを重視しており、加速タイムも同様なら燃費を考えて薄めを選択しています。
(6)加速系統を調整する。
アクセルの踏み方は人それぞれなので、フィーリングでPJのサイズを決めれば良いと思います。私はタイヤのグリップを確かめながらじわっと踏んでいくタ イプなので、PJの効きは弱い方が好きで#35を選択しています。ただしメイン系・スロー系のセッティングにも左右されることなので、一概にどのサイズが 良いとは言い切れません。
気をつけなければならないのは、最初に決めた暫定セットからPJのサイズを変えると、全域の燃調が狂ってしまうということです。PJのサイズを変えることにより、メイン系統を再調整するとこも想定しておかなければなりません。
(7)スロー系統を調整する。
街中での走行ペースではほとんどがIJの支配下にあるようなものですが、普通に気分良く走れるサイズを探せば大丈夫だと思います。しかし変更の度合いが大きいと、上記で決めてきた燃調にも影響するので注意は必要。
【アイドリングの調整方法】
「アイドルアジャストスクリュー(以下、IAS)は、アイドリングの燃調だけを決めるものでそれ以上の回転域には関係ない」という意味の説明をしている マニュアル本を読んだことがありますが、それはウソです。少なくとも街中で普通に走行する範囲に影響が出ます。
IASをアイドリング回転数が最高になる位置でセットしている人が多いと思いますが、それも絶対に正しいとは言えません。アクセルを踏み出した瞬間に PJが必要以上に仕事をしてしまうので、どうしてもかぶり気味になるからです。PJは回転数に関係なくアクセルの踏み方に対して動作するので、アイドリン グ付近の低い回転数に対しては過剰に燃料を送ってしまうのです。これによるかぶりを軽減するには、IASをアイドリング回転数が落ちる直前まで絞っておく 方法が効果的です。しかしアイドリングでIASを絞りすぎると走行中でも薄くなってしまうので、それも想定してIJの選択をしておくと良いと思います。
IAS を最高回転数になるように調整すると空燃比は12.0:1付近になりますが、私の場合は12.8:1近くまで絞ります。これにより発進時の僅かなかぶりが 軽減されるし、多少標高が高い所に登ってもドライバビリティの悪化は最小限に抑えられます。長野のビーナスライン(最高2000m近く)ではさすがに濃い 症状が出たものの、他車よりはコンディションが良かったと思います。
山道を走る割合の多い車だから、アイドリングを「少し薄め」にしておくという考え方も良いかもしれません。
(8)全体の見直し
PJやIJ等を交換すると、最初に決めたメイン系統の燃調が狂うことがあります。
再度全体をチェックして、必要に応じて微調整をすれば完了です。
WEBERのセッティング(その3 セッティングパーツの基礎知識)
--- メイン系統 ---
①メインジェット(MJ)
スロットル開き出し~全開時の燃料の供給量を決めるもの。
スロットル開度中~大で大きく影響しますが、実際には僅かに開いた辺りから効くので、厳密には全域に影響しています。
②エアージェット(AJ)
スロットル全開時に供給する燃料と混合する空気の量を決めるもの。
スロットル開度が大きいほど影響力が大きくなりますが、これもほぼ全域に影響するといっても差し支えないと思います。エアホールが大きいほど高回転で混合気が薄くなる特性があり、これは特にエマルジョンチューブF11で顕著に出ます。
例えば、
(a)「MJ130+AJ180」では番号の差が50番
(b)「MJ140+AJ210」では番号の差が70番
両者ともフルストットルの高回転で同じ空燃比を示すと仮定すると、番号差の大きい(b)の方が中低速回転が濃くなります。
(a)は全域でアクセル開度に忠実にレスポンスしますが、低回転からラフに踏み込むと息つきを起こしやすいので、その分IJやPJのサイズを大きくして補う必要があります。個人的には番号差の少ないセットが好きです。
(b)はアクセルレスポンスは多少落ちますが、低回転から一気に踏み込んでも息つきを起こしにくいので、スロー系ジェットうあPJは(a)より小さめになります。PJの機能を補っているような感じです。
--- スロー系統 ---
③アイドルジェット(IJ)
アクセル開度が少ない時を中心に燃料と空気の量を決めるもので、主に街中など低負荷走行時の燃調を支配します。
フルスロットルでもIJから燃料を供給し続けるので、高回転にも多少の影響はあります。
小さめのサイズだと負荷の少ない1・2速では僅かなスロットル操作にも敏感にレスポンスしますが、高いギアで走るとトルク不足になっていることが多いので注意してください。
--- 加速系統 ---
④ポンプジェット(PJ)
燃料は吸い込まれる空気より質量が重いので、急激にスロットルを開くと燃料の供給が追い付かなくなります。そういう時に一定量の燃料を加圧して噴射させる機能を持ちます。この噴射は全開にしてから1秒程度で終わります。
アクセルオンの瞬間以外でも常時少量の燃料が漏れているので、加速時以外の燃調(たとえば巡航時)にも影響します。PJを35→40に交換しただけで、高 速巡航時の空燃比がかなり濃くなりました。また鈴商のダイナパックでも同様の実験をして、全域で僅かに濃くなることを確認しています。
あくまでも感覚ですが、PJを35→40に変更すると、巡航時でIJで1サイズ、全開でAJで5番程度の差はあるように思います。
⑤アウターベンチュリー(OV)
キャプレターの内径を絞り、空気の流速を高めて負圧を発生させるもので、これによりスムーズな燃料の吸出しが行われます。内径のサイズを大きな物に変更す ればビッグキャブと同様のパワーアップ効果が得られますが、大きすぎると低回転で吸気速度が遅すぎて燃料の霧化がされにくくなり、中低速トルクの減少や燃 費の悪化に繋がるおそれがあります。
OVのサイズアップは、手頃で効果も大きいのでお勧めです。しかし燃調を全面的に見直す必要があります。
サイズアップにあわせた燃調のポイントは、次の通りです。
(a)全開時の混合気量が増えるので、MJのサイズを上げる。MJのサイズは、OVの口径×係数4を基準(φ34×4≒MJ135)とする。これを基準に 5番上下してMJ130,135,140の3通りに合うAJを探れば、大抵は大丈夫だと思います。加工品など純正品にない大きなOVの場合は、係数を5% ほど大きくした方が無難です。
(b)中低速で混合気の流速が遅くなるので、次の処置を行う。
・スロー系(IJ)のサイズを上げる(必須)
IJが大きくなるとアイドルアジャストスクリューの戻し回転数が少なくなります。
対策後キャブのセオリーである2.5回転という数字は忘れるべし。
・高回転のエアブリードを最大限に利用するため、(できれば)ETをF11に交換し、AJのサイズを大きくする。これに空燃比のバランスが取れる大径のMJがセットされれば相対的に中低速が濃くなり、低回転で混合気の流速が低下しても燃料の供給が楽になる。
標準のφ30から加工品のφ38に交換したら6馬力アップしましたが、4500回転以下がスカスカになりました。ノーマルカムが中低速用で吸気量も少なかったので仕方ないです。同じ排気量でも早いカムが入っているバーキンでは、かなりのパワーアップを体感することができました。
ウエストのノーマルカムの場合、OVはφ32(バーキンKENTの標準サイズ)が最適だと思います。φ36は3000回転以上で明確にパワーアップするけど、それ以下のトルクが極端に痩せてしまいます。元々最大トルクを2800回転で出すカムが入っているから、非常に相性が悪いとしか言いようがないですね。
KENTCAMS・CVH22(ストリートカム)に交換した場合は、φ34が最適でフラットかつパワフルです(実測113馬力でフラットトルク)
飛ばし屋さんならφ36まで使えるかもしれません。加工品のφ37を試したところ、高回転は抜群だけど大切な中速トルクが明確に減少したので、ストリート向けではありません。
⑥インナーベンチュリー(lV)
メイン系で作られた混合気を、外部からの空気と一緒にインマニに送り出すもの。口径を変えることにより、混合気の総量を調整することができます。
⑦フロート
フロートチャンバー内に溜めておく燃料の油面高さを調整するもの。
油面調整はキャブ調の基本であり、初期段階で済ませておく必要があります。後で油面高さを変更すると、苦労したキャブ調が台無しになります。
⑧エマルションチューブ(ET)
MJとAJで計量された燃料を混合し、エマルジョン(微粒化)するものです。
様々なタイプがあり、エンジンの特性に与える影響が大きいパーツです。
【F11】 高回転でAJから供給される空気の混合(エアブリード)の影響が大きくなり、高回転で混合気が薄くなると一般的に説明されているタイプです。実際には高回 転を基準に燃調を進めるので、相対的に中低速回転域が濃くなるということです。低回転からアクセルを一気に踏み込んでも燃料供給が途切れにくいので、低回 転で薄くなりがちな大径OVとは相性が良いでしょう。
とりあえず走るだけの暫定セットは出しやすいですが、空燃比の変動が大きいので気をつけるべきです。
ラフなアクセルワークを受け付けるので乗りやすいですが、繊細なアクセルコントロールには反応しにくくなります。
【F16】 高回転でのエアブリードが少ないタイプなので、回転数による空燃比の変動は少ないですが、トップエンドに対して中低速が薄くなります。したがってスロー系と加速系のジェットはF11の時よりも大きめになります。
安定した空燃比と良好なレスポンスにより、F11よりスポーツ走行に適していると思います。
WEBERのセッティング(その2 空燃比)
●空燃比について
ガソリンが完全燃焼する空気と燃料の混合比は14.7:1で、これを理論空燃比といいます。完全燃焼すれば有害な排気ガスが抑えられ触媒の働きも最大 になるので、今の車は理論空燃比を基準として空燃比を調整し、低負荷時には薄めにして燃費を稼いだり、加速時には濃い目にしてトルクを稼ぐなど、走行パ ターンによって最適な空燃比を制御しています。
しかしレーシングキャブレターであるWEBERには、気温、気圧、湿度やエンジン温度など混合気の濃さを左右する要因を補正する仕組みが備わっていません。
エンジンに最高の仕事をさせるためには、その時の環境に応じた最良の燃調が出来るようにしなければなりません。。
理論空燃比 約14.7:1
パワー空燃比 アイドリング付近/約12.0:1~トップエンド/約13.0:1 ※目安です
計算どおりにいけば理論空燃比が一番パワーが出るはずですが、実際には全ての燃料の分子が酸素と結合しているわけではなく火炎伝播速度も遅いので、十分なパワーが出せません。少しだけ燃料を増やしてあげないとダメなのです。
し かしいくら空燃比の話をしても、空燃比計がなければ全く検討もつかないと思います。そこで自分のエンジンの場合ですが、ワイドバンド空燃比計を使って得 られたフィーリングをまとめてみました。キャブレターでは空燃比を固定することは出来ないし、エンジンの構造によっても差はあると思いますが、おおよその 参考にはなると思います。
尚、 スパークプラグの焼け具合は参考程度にしてください。同じ条件で回し続けてからすぐにエンジンを止めて確認しないと意味がありません。高速道路で回し続け ても、PAに入るときに回転数を落とすと焼け具合が変わってしまいます。またブローバイガスの量や取り込み方、スパークプラグの熱価によっても焼け具合は 変わるので、それも考慮する必要があります。
空燃比 | フィーリング |
10.0:1 | 濃すぎてプラグがかぶり、失火しやすい。黒煙も多く、走行不能に近い。排気音はこもり、アクセルオンでアフターファイアが出ることもある。スパークプラグは真っ黒。 |
11.0:1 | 通常走行は可能だが、レスポンスは鈍い。スパークプラグは真っ黒。 |
12.0:1 | 低回転ではトルク感があるが、高回転ではレスポンスが鈍い。スパークプラグは少し黒い。 |
13.0:1 | 低回転ではサラサラと軽快に回るがトルク感を感じにくく、高回転ではレスポンスが鋭くなり排気音も軽くなる。スパークプラグは白く焼ける。 |
14.0:1 | 排気音は軽やかで空吹かしのレスポンスも鋭いが、トルクが出ないので遅い。バックファイア、アフターファイアが出やすい。スパークプラグは真っ白。 |
15.0:1 | 回らないことはないが、CVHエンジンでは実用的なトルクが出せない。不正燃焼が多発し、バックファイア、アフターファイアも出る。スパークプラグは真っ白。 |
薄目の方が軽負荷時(1、2速)のレスポンスがシャープだからパワーが出ると勘違いする人が多いですが、それでは3速以上の高回転でトルクが減少してしま います。(負荷が多く回転上昇が遅い場面では、ポンプジェットの効果が途中で切れてしまい、その分混合気が薄くなる)
2速主体で燃調をしたいなら、ベストと思われるセッティングに対して少し濃い目(自分の場合はAJで10~15番)に振った辺りがピークではないかと思います。感覚の問題だから難しい面はありますが・・・
●空燃比に影響する主な要素
要素 | 低 | 高 | たとえばこんな場合・・・ |
気温 | 薄くなるので、燃料を増やす | 濃くなるので、燃料を減らす | 1.「暑い日に渋滞にはまったら水温が100度近くまで上がり、アイドリングは不安定でアクセルを踏むと黒煙とブリブリという鈍い排気音が出た」 |
湿度 | 薄くなるので、燃料を増やす | 濃くなるので、燃料を減らす | 1.「カラッと晴れた日は妙にエンジンが良く回る」=薄くなるので空ぶかしのレスポンスが良くなる。 |
気圧 | 濃くなるので、燃料を減らす | 薄くなるので、燃料を増やす | 1.「標高の高い山に登ったら、気温は低いのに排気音はブリブリいって黒煙が出るし、アクセルレスポンスも悪化した。 |
空燃比データ (画像をクリックで拡大) ※全てフルスロットルでのデータ | ||
![]() | ![]() | ![]() グラフ3 一気にスロットルを開くと少しの間だけポンプジェットが濃いガスを作り、次の瞬間にいきなり薄くなる傾向が出ます。じわっと開けば、理想的な空燃比のまま回転が上がります。 |
WEBERのセッティング(その1 はじめに)
ウエストフィールドを買ってから、キャブレターとの戦いの連続・・・ チューニングに伴う調整だけでなくセッティングパーツの特性を知るための変更を含めると、年中キャブを弄っています。セッティングパーツやワイドバンド空 燃比計に投資して、たくさんのデータを取りながら検証しました。どちらかといえば、燃調は手段ではなく目的だったのかも知れません(笑)
自分で手軽に空燃比をコントロールできることは大きな魅力だと思いますが、初心者がマニュアル本を見ながら悪戦苦闘しても乗り越えられない壁というのが 出てくると思います。ここに自分なりに掴んだキャブ調のコツを記録しておきますので、いくらかでも参考にして頂けると幸いです。あくまでも自分の車を基準 にしていますが、他の車でも基本は同じだと思います。
自分なりには自身を持っていますが、プロではないので説明不足だったり間違っているところはあると思うし、承知の上で市販のマニュアルとは違う書き方をしていることもあります。
疑問があれば遠慮なく掲示板に書き込んでください。お互いに情報交換し実証を重ねて精進できれば本望です。
尚、ここではWEBERの構造や標準のセッティングチャート、そして各パーツについての一般説明等は省略します。
インターネットで検索すれば、詳しいサイトが見つかるはずです。
お助けリンク : GARA・CLUB http://ww7.tiki.ne.jp/~gara/ ※詳細な機能説明あり
アールスコート http://www.earlscourt.co.jp/ ※パーツリストと、基本的なセッティング方法あり
●ここで基準としているエンジン
エンジン:Ford CVH 1.6 (OHC)
キャブレター:WEBER40 DCOE151
●キャブセッティングの変更履歴
(凡例)今後は、各セッティングパーツの名称を次のように略します。
OV:アウターベンチュリー AV:インナーベンチュリー MJ:メインジェット IJ:アイドルジェット
ET:エマルジョンチューブ AJ:エアージェット PJ=ポンプジェット NV=ニードルバルブ
仕様(変更点) | OV | AV | MJ | AJ | IJ | PJ | ET | NV | 備 考 |
ノーマル | 30 | 4.5 | 115 | 185 | 45F9 | 40 | F11 | 175 | パワーバンド 1000-5500(それ以上は惰性で回るが) |
エアファンネル ソックスエアクリ 鈴商マフラー | ↑ | ↑ | 110 | 180 | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | 緻密な感じのレスポンス(夏) |
上記+カム交換(ストリート用) | 32 | ↑ | 120 | 200 | ↑ | PPJ/F | ↑ | 200 | パワーバンド 2000-6500 1000+αでも走行可(夏) |
バイク用マフラ バキューム進角 | ↑ | ↑ | 130 | 210 | 50F9 | 35 | F16 | ↑ | 超フラットトルク(秋) |
ツーリング用の薄めのセット | 34 | ↑ | 140 | 230 | 50F8 | 35 | F11 | ↑ | 110.2馬力(冬) ※グラフ1 (空燃比)定速走行=12.8:1 ET:F11は、全開時の空燃比の変動が大きい。 |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | 50F9 | ↑ | ↑ | ↑ | 112.1馬力(春) ※グラフ2 |
ET交換実験 | ↑ | ↑ | 135 | 180 | 55F8 | 35 | F16 | ↑ | 113.0馬力(春) ETの交換による再調整。 中間加速・スロットル半開の空燃比は、 高所を含めた通常のツーリングスピードではIJ:50F9を選択。 |
仕様(変更点) | OV | AV | MJ | AJ | IJ | PJ | ET | NV | 備 考 |
PPJ(パワーポンプジェット)復活実験 | 34 | 4.5 | 135 | 180 | 50F9 | PPJ/F | F16 | 200 | 中低速のトルクが出しやすいパワーポンプジェットの使用を前提としてセッティングしたが、サイズが1種類しかなく、セッティングが難しかった。 ハーフスロットルのレスポンスは抜群で速いが、低速が濃くて扱いにくい。 ※グラフ3 |
フランジサイレンサー装着 | ↑ | ↑ | ↑ | 190 | 55F8 | 35 | ↑ | ↑ | 排気抵抗増大による調整 |
フランジサイレンサー取り外し 触媒内臓純正マフラー | ↑ | ↑ | ↑ | 210 | 50F9 | 40 | ↑ | ↑ | 猛暑(水温10度up)対策(夏) +マフラー交換によるリセッティング |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | 50F8 | PPJ/F | ↑ | ↑ | 感覚的なレスポンスよりパワー感(トルク)を重視 |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | 55F8 | 35 | ↑ | ↑ | 秋用のセッティング |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | 50F8 | ↑ | F11 | ↑ | ラフなアクセル操作を受け付け、かつ燃費向上を目指した仕様(春) 全体的に乗りやすいが、エマルジョンチューブの特性で空燃比の変動が大きい。 (平均的な空燃比) ・低負荷定速走行で13.5:1 ・上記からスロットル1/3の加速で12.8~13.5:1 ・全開高回転で13.5:1 |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | 200 | ↑ | ↑ | F16 | ↑ | 春のミニサーキット用セッティング。 これより薄くすると3速で回し切れず、これより濃いと2速がシャープに回らないというバランス。 |
2008/06/07
久しぶりの鈴鹿スカイライン


久しぶりに鈴鹿スカイラインに行ってみたら・・・
たくさん集まりました。

N1用の4AGを組み直し、更にチューニングしたら250馬力になったとか(汗;
10000回転以上回るので、12000回転スケールのタコメーターに交換したいそうです。
ふぅ〜んとしか言いようがない別世界だったりする。
我がウエスト号の軽く2倍以上のパワーとは・・
ネタネタ(喜)
GON1Jさんのエキマニが皮一枚残して割れてる!
しかも後ろまで!
早速針金で落下防止ですが、重症だな・・・
楽しそうに吊り橋を架けているけど、家に着く前に落ちるのでは?

スペアと工具を持っていたので、直してあげました。